あの頃の、あの場所で、あの人に、会いたい。
そう思った時に時間旅行。
時間旅行は、いつでもできる。
時間旅行は、少しのお金とスマホとイヤホンとランニングシューズだけ。
時間旅行は、おひとり様限定。
今日の時間旅行は、1975年3月(昭和50年)46年前
商店街のたい焼き屋さんから『およげ!たいやきくん』が流れていた昭和の時代。
私は、埼玉に移る以前に1975年7月迄、東京都板橋区に家族と住んでいた。
時間旅行とは、数十年という記憶をたぐり寄せながら、思い出のある場所を独りで走り、歩くこと。
どれくらいあの頃の記憶が再生できるか。
あの場所はどうなっているのか。
変わったものは何か。
変わっていないものは何か。
あの時、どのように考えていたのか。
あの時、どのような夢を持っていたのか。
あの時、家族の日常はどうだったのだろうか。



この場所は、私達にとって、豊かでなかったが、暖かい家族との団らんがあった。
そして、暖かい家族を昭和の時代つくってくれた、親父が昨年旅立った。
時間旅行は暖かい家族との団らんを思い出す。
親父は、真面目で、とても映画好きだった。
金曜ロードショーの初代テーマ曲『フライデーナイトファンタジー』をスマホで歩きながら聴いた。
今日は、この地で親父と思い出の中で会えた気がする。
あの頃、生活は貧しかったが、心は今よりはずっと豊かだった。
ユーチューブ:【DTM】金曜ロードショーより「Friday Night Fantasy」より
7月10日追記
金曜ロードショーより「Friday Night Fantasy」は、悲しい曲ではないが、この曲を聴くとこみあげてくるものがある。
もし、私と同じ気持ちになったら、ユーチューブ:【DTM】金曜ロードショーより「Friday Night Fantasy」よりのコメントを読むとその理由がわかります。
527万回視聴、コメント数4853。
8月12日追記
【初盆】
しかし、仏壇やお墓で手を合わせても、親父との楽しい思い出はさっぱり浮かびません。
そして、そこには、何故か親父がいない気がしてなりません。
たぶん、想い出は、私達の心の引き出しの中にそっとしまわれています。
消えてしまっているのではなく、心の引き出しについた、見出しさえ見つけることが出来れば、想い出は、モノトーンではなくカラーで蘇ります。
見出しを見つけるには、仏壇やお墓に無く、私の場合は時間旅行ですね。
【苦い思い出】
以前、家族と一緒に時間旅行をした時がありました。
そして神社の境内から過去をさかのぼって、心の中に記憶された膨大な無名の引き出しを開けておりました。
記憶をさかのぼることは、タイムマシーンに乗って旅をするようなものです。
良い記憶は、デフォルメされて暖かい気持ちになります。
そこで家族から一言。
『今日のご飯何にする?』
この瞬間、タイムマシーンで現実に引き戻されて、全ての引き出しは閉じられてしまいました。
そっか。
次回からは時間旅行は、一人でしようと思った出来事です。
【手に入らなかったもの】
兄弟喧嘩をしても
親から怒られていても
険悪な雰囲気になっても
金曜の夜のあの時間は、中断、休戦、何もなかったことで一つのテレビを囲んだ。
そこには、笑いがあり、涙があった。
映画館に行くお金がなかった。
録画するものも世の中に存在しなかった。
貧しいことが嫌でもっと豊かになり、自分だけのテレビや家や自分の部屋が欲しかった。
その後、家、テレビ、車、部屋、全て手に入れた。
しかし、手に入れられなかったものがあった。
それは、あの時と同じ金曜の夜にあった。
一つのテレビを囲みながら、それぞれが片手にスマートフォン。
それぞれが、常に家族以外の誰かと繋がっている。
子供も妻も、私も。
豊かになった。
便利になった。
しかし、何か手に出来なかった大きなものがあることに気がついた。